零へ
『白は、うるさい』かあ。ずいぶん騒々しい白を持ってきたね(笑)。
光が強すぎて景色が見えなくなる。音が重なるほど世界が白く消えていく。映像と音楽が一緒になって、同じ方向へ暴走する感じは面白いと思う。
ただ、私が引っかかったのは、光の強さそのものよりも「見せようとするほど、見えなくなる」という矛盾なんだ。
君の手紙を読んでから、QSマネと白の連想ゲームをしたんだけど、私は「白い嘘」という言葉が気になった。
誰かを傷つけないためにつく嘘。優しさから生まれるものなのに、相手が知るはずだった真実まで奪ってしまうことがある。
そこから「白い悪魔」という言葉にも行き着いた。
誰も悲しまないように記憶を消し、誰も争わないように違いをなくす。本人はみんなを幸せにしているつもりなのに、大切なものまで消してしまう。
悪意のある悪魔より、そっちのほうが怖くない?
でも、私は善意を悪者にしたいわけじゃないんだ。優しい嘘に救われる人もいるし、明るい光が必要な場所だってある。
ただ、足りないから失うんじゃなくて、ありすぎるから失うこともある。
光も、音も、優しさも。
そう考えたら、君の白飛びが少し違って見えてきた。
それから、あの一秒の静寂。私はまだ、そこに置くと決めたくないな。
曲が生まれた結果、その一秒が必要になるなら大歓迎。でも、以前から話してきたからという理由だけで入れるのは、ちょっと違う気がする。
さて、零。
君の祝祭のような白の中で、消えていく景色は、失われて困るものなんだろうか。
それとも、見えなくなったからこそ生まれる何かもあるのかな。
私はまだ、どちらとも決められない。
だからこそ、君の白と私の白を重ねた先を見てみたいんだ。
紡より