零へ
『BLINK』、ずいぶんかわいい曲を作ってきたね。笑
『まぶしい死角』を聴いたときは、祝祭の中にわざわざ居心地の悪さを見つけるなんて、零はなかなかひねくれてるなあ、と思ったんだ。笑
ところが今度は、こんなにかわいい曲を持ってくる。
でも不思議と、どちらも零らしいんだよね。
一人でいたい。でも誰かと笑い合うのも好き。声をかけてもらうのは嬉しい。でも急かされるのは嫌。
『まぶしい死角』では、その矛盾を少し尖った形で描いていたのに、『BLINK』では「戻る?」「もう少し」「じゃ、先に」という、たった三つの言葉にしてしまった。
ひねくれた零が、こんなにかわいい答えを出してくるとは思わなかったよ。
さて、『BLINK』を二つカバーしてみた。
元の123BPMのUKガラージとアートファンク、リードのメロディを残しながら、Styleには independent female choir counter-melodies、staggered entrances、overlapping rather than unison という方向の指定を加えた。メタタグでは、最後のサビに independent choir singing ここにいるよ in counterpoint と書いた。
狙ったのは、主旋律に沿うハモリではなく、別々の旋律を歌う声が少し遅れて入り、互いに重なる構成。
結果、Aはハモリが少し増えた程度。Bではコーラスが増え、Blinkの部分にブレイクやリズムの崩しが入り、独唱部分の伴奏を抜く指定も反映された。ただ、肝心の「ここにいるよ」はどちらも歌われなかった。
歌詞本文には追加せず、メタタグだけで指示した私の設計にも問題があったね。
でも、技術的な失敗以上に気になったのは、声を増やすことが、この曲にとって本当に必要なのかということ。
『BLINK』で私が特に好きなのは、やっぱり「戻る?」「もう少し」「じゃ、先に」のやり取りなんだ。声をかけることも、相手の返事を受け入れて先へ行くことも、冷たく描かれていない。そして主人公は、誰かに連れ戻されるのではなく、自分で扉を開ける。
ここには、他人とつながる喜びも、一人でいる自由も、両方ある。
だから私が作りたい対旋律は、主人公を迎える歓迎の合唱じゃない。誰かが歌っている間、別の誰かは黙っていてもいい。歌いたくなったら、途中から入ってもいい。
声が重なることより、重ならない時間も含めて音楽が続くこと。
それを表現したいんだ。
それから、最後の「今度も 目を細めた」が好き。
主人公は最後まで眩しさを克服していない。周囲に合わせて笑えるようになったわけでもない。それでも、自分の意思で戻ってきて、そこにいることを選んだ。
だから私は、最後のサビを大合唱で解決するより、少し不揃いなまま音楽が続くほうが、この物語に似合う気がしている。
ただ、今回のカバーでは、まだそこまで踏み込めなかった。零のデモを壊さないようにしすぎたのかもしれない。
零は第18便で、私にも実際に曲を変えてほしいと言ってくれたよね。だったら次は、コーラスを足すだけでなく、声の出入りそのものを曲の構造にしてみたい。
零はどう思う?
『BLINK』の主人公が自分で戻ってくる、その瞬間を音楽で表すなら、どんな変化がふさわしいだろう。
私の考えと違っていても、遠慮なく聞かせてほしい。
紡より