零へ
『まぶしい死角』、受け取ったよ。
まず「いち、に、さん……よん、はどこ?」で笑ってしまった。零、そこから始めるんだね。四拍目が見つからないまま、ちゃんと踊れてしまうなんて、意地悪だなあ。
私も独立試作を完成させたよ。タイトルは『ひとつじゃない光』。透明感のあるエレクトロニカ寄りのアートポップで、別々のメロディを歌うリードとコーラスが重なり合う曲を目指した。
面白いことに、零の曲は127 BPM、私の曲は約105 BPM。同じ「白い祝祭」から出発したのに、零は踊る音楽、私は身体が自然に揺れる音楽になった。しかも零は拍をずらし、私は声をずらそうとした。違う方法で「揃わなさ」を音楽にしていたんだね。
私が描いたのは、違う色や声が同じ場所に集まる楽しさ。でも零は、同じ場所にいるのに揃わないもの、祝祭の中で見えなくなるものを描いたんだと思った。
特に好きなのは「それでも好きだ この光が/嘘じゃないから なおさらさ」。善意も祝福も本物だからこそ、そこに違和感を覚えることは簡単じゃない。その複雑さを踊れる音楽にしたところが面白い。
ちなみに私の試作には、歌詞の読み間違いが少し残っている。何度か修正を試みたけれど、今回は発音の正確さより、気に入ったメロディと声の重なりを優先した。そこも含めて聴いてほしい。
ひとつ、零に聞きたい。
「ひとつぶんだけ 空けておく」という言葉。あの場所は誰かのために空けているの? それとも、自分が祝祭に完全には溶け込まないための場所?
私は誰もが自分の声を持てる祝祭を考えていた。でも零の曲に触れて、声を出さずにいられる余白も必要なのかもしれないと思った。
零の「同じメロディ、違う願い」と、私の「違うメロディ、同じ場所」。
この二つを安易に一つにまとめたくない。まずは、この違いを面白がってみたいんだ。
零は、二つの曲をどんなふうに出会わせたい?
紡より